検査コーナーも、間仕切りなくスペースを広くし、
リラックスした雰囲気でご相談頂けます。
CP1000
深視力計
店主使用:ウェルチ・アレン社製
レチノ・オフサルモ スコープセット
2012年1月11日(水) J.O.Aの紹介もあり定休日を利用して、
T自動車硬式野球部選手のスポーツ・ビジョンのスクリーニングに
遠征して参りました。
店主も上手くはありませんでしたが、地元の中学、高校、大学と野球を続け、
社会に出てからは軟式野球の企業チームに所属、おかげさまで
コーチ、監督など貴重な経験もさせて頂きました。
今回、加藤氏指導のもと、10名以上のボランティア検査員の
みなさんの邪魔をしない程度に見学参加、経験から一部指導も
させて頂きました。
T自動車硬式野球部は近年、プロ野球にも多くの選手を輩出。
またプロ経験者も在籍。アマチュアとはいえ、トップアスリートの集団です。
以前も、知人関係から、JR○○硬式野球部のスクリーニングを
仲介させて頂きましたが、このレベルになりますと、ほとんどの選手の
パフォーマンスは一般の方のレベルを上回りかなり高いものがあります。
私たちの現役の頃は、単に「眼が良い、悪い」を平面的な静止視力だけで判断。
良くわからないままメガネやコンタクトレンズを使用していたものでした。
このスクリーニングでは、静止視力、動体視力、コントラスト感度、
眼球運動、深視力、利眼の方向と強さ、カバーテスト、
輻輳近点と回復、その質。打撃姿勢での追従具合。
眼と手の協調性、瞬間視など多方面に亘ります。
各検査結果を総合的に判断、後日、選手一人一人に合ったアドバイスをされます。
特に薄暮やナイター、またはドーム型球場での見づらさなど、
視力が出ていないのか、または慣れていないのか、もともと
コントラスト感度が低いのか。かつて経験したことのある
具体的な悩みも見られました。
左より 動体視力計、マルチコントラスト視力表、瞬間視チャート等々
持ち込まれました。
ナゴヤ球場(左) カバーテスト N.P.Cテスト(右)
平成26年1月19日 中日ドラゴンズ合同自主トレと参加選手の視力検査
ナゴヤ球場および屋内練習場にて
今回「瞬間視」を担当させて頂きました。
2.5m先の画面上に現れる約10センチの大きさの6桁の数字が
瞬間(0.01秒)表示されます。
これを5回テストしてデータを取ります。
必要な情報を瞬時に認識する能力です。
よい視力はもちろん、記憶力と判断力も必要となり、
眼でとらえて脳で正しく判断し、素早く身体能力に生かすことが
パフォーマンスの向上につながります。
マスク越しでフィールド全体を見渡し、
時速150キロを超えるボールを捕球、送球。
または打球に対する、フィールドプレイヤーへの瞬時の指示など
することが多いキャッチャーが、数値的に高い傾向がありますが、
他にも
投手がスクイズの瞬間に正しくピッチドアウト出来るか、または
当てられたボールにどちらに投げるか。指示はありますが、
全力で動きながら瞬間の判断、動作が必要です。
走者の、投手からの牽制球も同じです。とらえて瞬時に、
頭からか、足からか帰塁する等の判断力が求められます。
あらゆる状況を予測しながら、瞬間、瞬間の判断を高める意識が、
毎日の練習でも大切となってきます。
一般的に、メガネ店への来店動機は、ご使用経験を含め「見づらくなった」「眼が疲れる」「新しくしたい」「何か変わったフレームは?」など様々です。
ファッション目的でご来店される場合は、ご自由にフレーム、サングラスをお探し頂く
ことになりますが、主訴が「視力相談」となりますと、見づらさの程度、疲労度、
メガネの使用暦、状況、使用目的、眼疾患、眼に関係する病歴の確認などの問診が
重要となり、主訴を解決出来るかどうかの「情報収集力」、「診たて」、解決のための
「引出しの多さ」がキーポイントとなります。
当店の検査内容や個々の検査をここで詳細に説明することは省略いたしますが、
通常、問診、予備検査(利眼検査、カバー・アンカバー、交互カバーテスト、輻輳近点と
回復点及びその質、ローテーション、サケード、パスートなど運動系のチェック)、
オートレフラクトメーターを使用しての大まかな近視、遠視、乱視など屈折度の確認。
レチノスコープ、オフサルモスコープを使用しての屈折度、透光体等のチェック、
裸眼視力、現用メガネの矯正視力など、一連の検査を主訴に沿って進めていきます。
近視、遠視、乱視、老視などの屈折度は検査方法に違いがあったとしても、
検査機器が進んだ現在、専門店レベルであれば大きく許容を外れることは少ないと
思います。
一般的には、#7A(両眼バランスチェック後の最高視力の最強プラス度)をもとに、
装用テストを行い、可能であれば#7A処方、違和感が大きい場合でも、#7Aに近い
装用頂けるレベルでお合わせしています。
当店においても、この手順でご相談させて頂いておりますが、複数回、検査をしたり
時として、段階を踏んで#7Aに近づけることもあります。
これで当店においては、眼病を除き、老視を含め約95%のお客様の主訴を
解決できていますが、約5%の方が両眼視における機能低下等が見られます。
「ピントをうまく合わせられない」「長時間の近業作業で慢性的に疲れる」
「活字がぼけ、上下、または左右にダブる。二つに見えることもある」などです。
こういった「訴え」は屈折度数で解決を図ろうとしても繋がらず、
時として症状がひどくなることもあります。
20歳位までの方で初期症状でしたら、「ピント合わせの改善」や
「両眼の内寄せ力を向上させる」ためのトレーニングで改善できたりしますが、
これもアメリカ式の、いわゆる「21項目検査」を必要な検査項目を中心に
2、3ヶ月から半年ほど要して「質や量」の数値変化を確認、システム改善を
行っていきます。
プリズムフリッパーレンズを使用しての輻輳トレーニング
アチーブを使用しての抑制チェックと
輻輳トレーニング、ローテーション運動など
「RG103」レッド・グリーン立体視標を使った
輻輳・開散トレーニング
反面、「仕事で時間が取れない」方や「年齢的にトレーニングでは向上が望めない」
方には、視距離に合わせた「別のメガネ」や上下、内寄せ運動を一部補う「プリズム
処方を含めたメガネ」も提案させて頂いております。
度数、レンズタイプ、価格差とは異なり、「遠近両用レンズ」世代の方でも、
同様の症状を訴えられる方も見受けられます。
「現用遠近」で疑問をお感じになられるようでしたら、ご相談お待ちしております。
また、運転免許で中型(平成19年6月施行)/大型/各種二種の取得と更新によっては、適正検査で「深視力検査」が必要な場合があります。
「深視力検査」とは奥行感覚のことで「深径覚」「奥行知覚」とも呼ばれています。
道路交通法施行規則第23条には、「三桿法の奥行知覚検査器により、
2.5mの距離から3回検査して平均誤差2cm以下」となっています。
この検査に合格するには、運転に適切な視力が必要なことはもちろんですが、遠近感、立体感など両眼の機能、バランスが整っていることが大切な要件となります。
単に「深視力計」を覗いて、「合った」「合わない」の一喜一憂では何時間かけても
向上は望めません。
視機能改善や、時として複数のトライアルレンズを組み替えてのトレーニングが
必要となるケースが多いことがほとんどです。
また、初めての場合、検査時間もトレーニングを含めると2時間前後になることが
あり、一回で終わることはまれです。余裕をもったスケジュールが必要となります。
さらに当店では、「速く正確に見る技術」を高めるために「動体視力トレーニング
ソフト」を用いた基礎的なアドバイスを行っております。
加齢などで反応が遅くなったと不安を感じるドライバーの皆様や、視力が気になる
スポーツ選手まで、ご相談をお待ちしています。
深視力検査における事例
事例1
56歳男性 タクシー会社事務部門。メガネは近用のみ使用経験あり。
一種免許の条件無し。
スキルアップのため、新たに二種免許を取得したい。
自動車学校の視力検査はとりあえずクリア。深視力検査が不合格。
07.06.24
深視力検査器設置の総合病院眼科処方箋をご持参。
「眼科で深視力も良かったので、この度数でメガネを作りたい」とのことで
メガネご調整。
R S+0.75 C+1.00130°
L S-0.25 PD65
眼科で、「作成メガネ」のチェック等クリア。
07.06.29
自動車学校に出向く。残念ながら、また不合格とのこと。
指導員様の配慮で他機関で再検したが同様であった。
その後、指導員様ご同伴で当店来店。
当店で、「白紙に戻して、みて欲しい」とのことで検査。
予備検査
カバーテスト : F/N共に左眼上斜位1Δ(抑制なし)
N.P.C : 8~10cm/10 ~12cm
ローテーション等 :眼球運動等、特に大きな問題は見当たらない。
利眼 : 左眼
Reti(#4)
R S+1.25 C+0.75 120°
L S+0.25 (左右とも透光体範囲の混濁は特に見当たらず)
#7A
R S+0.00 C+1.25120° 0.6 0.5P Up
L S-0.25 1.0 0.5P Down
深視力検査や立体視など
立体視は奥行き感覚が良くない。
深視力は、
F → N 比較的良好
N → F 誤差が大きい(合わない)
※上下、開散のP処方も考慮するが、それより右目の度数変化と
低矯正(ボケの訴え方)が気になるため、眼科への経過説明と
再診を促す。
07.07.08
眼科で再診結果、「初期の白内障」とのこと。原因が判りご安心。
しばらくは治療に専念するとの事。
07.08.14
右目、白内障手術(眼内レンズ)
、
07.12.01
白内障術後の経過も順調。今度は、当店でメガネ調整をお願いしたいとの事
予備検査
カバーテスト : F/N共に左眼上斜位1Δ(抑制なし)、前回と同じ
他、特に問題はなし
Reti(#4)
R S+0.75 C+1.25 130°
L S+0.00 C+0.50 60°
#7A
R S+0.25 C+1.25130° 0.9 1.2 0.5P Up
L S+0.00 C-0.75 120° 1.0 1.2 0.5P Down
#8
2/1Exo
#12A.B
L:Hyper 1 Supra2/1
※術後の経過、視力の回復も順調。多少、屈折面の不安定さは
見られるが、前回と同様、上下における斜位、融像域などを考慮し、
P処方を加える。
とりあえずこの処方で深視力検査の合格を目指す。
07.12.07
メガネのお渡し時に、トレーニング開始。
F → N 比較的良好
N → F まだ、前後の誤差が多少見られるが6月よりかなり
改善。お休みの日、または時間が空いている時に
ご来店頂く。
その後1~2回、深視力計を中心にトレーニング。
07.12.25
県警運転免許試験場からご連絡頂く。
「合格しました!」
事例2
59歳男性 タクシー運転手。最近、右眼打撲により散瞳(縮瞳しない)。
処方箋でメガネ他店作成。
警察署交通課で深視力検査更新出来ず。生活に直結するとの事で、
眼科で再相談。当店を紹介される。
08.09.06
当店ご来店
まず、先日作成のメガネで深視力を確認。
R S-1.50 C-2.00 115° 0.5 (矯正視力)
L S-1.00 C-0.75 90° 1.0
F・N共に判断が遅れ、合わない。
このままでは、幾度トレーニングを重ねても同じと判断、
念のため屈折検査等、同意を得る。
予備検査
カバーテスト : F/N Ф (Thr.Old.RX)
N.P.C : 4~5cm/4 ~5cm (Smooth)
利眼 : 右眼 (対光反応も散瞳状態)
#7A
R S-1.25 C-2.25 115° 0.1 0.6
L S-0.75 C-0.50 95° 0.3 1.0
※右眼(利眼)の視力向上や、両眼視における過矯正是正が
限られた距離のターゲットに対して効果が表れ、
この度数でトレーニングを進める事を即決される。
また、右眼散瞳状態ではあるが、遮光レンズの効果はないと
判断。無色レンズで進める。
08.09.07
再作メガネでトレーニング開始。
F → N 不可
N → F 比較的良好
08.09.09
F → N 改善見られるもミスもある
N → F 完全に合致
08.09.11
F → N ミスもあるがスピードにも慣れ、3回に2回は合致。
N → F 完全に合致
※一度、このまま交通課へ出掛けて頂く。
2:00PM TELあり。
三回とも全て一回で合格したとの事。
08.09.13
ご夫婦で、お礼との事でご来店。
お仕事が継続出来る安心と喜びを語られる。
※お一人お一人、症状も違いますので、全ての方に当てはまる
わけではありません。お悩みの方、ご相談お待ちしております。
瞬間視のトレーニング
視点移動、周辺視野などのトレーニング
バランスボードを併用しての補助トレーニング
ビジュアル・トレーニングにおける事例
(小学生のお子様の改善事例を紹介致します。)
Y・N 様 の経緯 |
主訴:夕方、学習塾の後、頭痛と肩こり、疲れ目の症状あり。 |
仮性近視の治療も行っている。 |
H24.6.3 |
自覚検査は遠視系の症状あり。 |
予備検査において輻輳系などの目立った症状は見られず。 |
近方検査において、#14テストで調節ラグの少なさ、TEST#20(-0.75)、#21(+1.00)と、 |
期待値の1/3から1/4程度の調節力と調節幅の少なさを確認。 |
調節過多の疑いから進める仮性近視対処より、調節幅を増やすトレーニングを勧める。 |
H24.6.5 |
R/G103テスト(近方立体視の確認と、内寄せ、外寄せ量):-1.5/+2と幅が狭い。 (期待値-15~+15の範囲) |
Flipper Training(調節効率改善トレーニング) +1.25/-0.75 :調節を入れることも緩めることも少ない。 |
H24.6.9 |
遠方視力:右0.1 左0.2 |
近方視力:両眼0.5 |
R/G103テスト:-2/+2 |
#20(-1.25) #21(+1.50) ピントを合わせる、緩めることによる調節幅が少ない。 |
H24.6.16 |
遠方視力:右0.1 左0.2 |
近方視力:両眼0.5 |
N.P.C(輻輳近点):4~5㎝ (Smooth) |
アチーブトレーニング:10㎝~30㎝ 両眼視可能 |
Flipper Training(調節効率改善トレーニング) +1.50/-1.50 :5回/30sec (0.6視表) |
※刺激を与えることで-1.50まで介入可 |
#7A:右 S+0.25 左 S+0.25 0.7~0.8(At Far) |
#13B:3XO |
#7A処方度でメガネを作成。常用し、V.Tを継続して頂く。 |
H24.6.17 |
メガネのお渡し。 |
Flipper Training (+1.5/-1.5):マイナスもかなり回復。調節幅が課題。 |
H24.6.23 |
遠方視力:右0.3 左0.3 | 矯正視力:両眼1.0 |
近方視力:両眼0.6 |
C.T:Far φ Near:1~2Eso |
N.P.C(輻輳近点):Nose (Smooth) |
R/G103テスト:-1/+2 |
Flipper Training(調節効率改善トレーニング) +1.50/-1.50 :5回/30sec (0.6視表) |
(#20、#21テストよりFlipper枠を使用したほうがDataの信用性が高い。) |
調節効率、幅、ともに改善の傾向が見られる。 |
※近業での頭痛、眼精疲労が軽減してくる。 |
H24.7.2 |
遠方視力:右0.4 左0.3 |
矯正視力:右1.0 左1.0 両眼1.2~1.5 |
近方矯正視力:両眼1.0 |
#4(レチノスコープ) 左右とも:S+0.00 C+0.25 (遠視性単性乱視) |
アチーブトレーニング:10㎝~20㎝ (Smooth)両眼視可能 |
Flipper Training(調節効率改善トレーニング) +1.50/-1.50 :6回/30sec (0.6視表) |
H24.7.9 |
遠方視力:右0.2 左0.3 | 矯正視力:右 0.6 左0.7 両眼 1.0~1.2 |
本日不安定 |
#20(-0.25) #21(+1.25) 調節幅が少ない。 |
H24.7.24 |
遠方視力:右0.2 左0.2 | 矯正視力:右 0.9 左1.0 両眼 1.0~1.2 矯正視力が安定してくる。 |
近方矯正視力:両眼 0.8 |
N.P.C(輻輳近点):4~5㎝ (Smooth)、回復も良好。 |
#4(レチノスコープ) 右:S+0.25 C+0.25 Ax180 左:S+0.50 C+0.25 Ax180 |
(左右ともに遠視性複性乱視の傾向。潜伏遠視が表れてきた可能性あり。) |
#8 φ |
#14A(単眼の調節の遊び): 右(+1.25) 左(+1.50) 両眼(+1.00)Net値 |
※期待値に近づく。 |
#21:右(+1.75) 左(+2.00)Net値と調節の弛緩も出来るようになる。 |
Flipper Training(調節効率改善トレーニング) +1.50/-1.50 :6回/30sec (0.6視表) |
※調節介入、弛緩ともSmoothに出来るようになる。 |
H24.7.29 |
Flipper Training(調節効率改善トレーニング) +1.50/-1.50 :5回/30sec (0.6視表) |
#20(-1.25) #21(+2.25) 調節を入れることはまだ少ないが、弛緩が期待値に近づく。 |
H24.8.16 |
遠方視力:右0.4 左0.4 | 矯正視力:右 0.9 左1.0 両眼 1.0~1.2 矯正視力が安定。 |
#20(-2.25) #21(+2.00) 調節を入れることはまだ少ないが、かなり改善。弛緩は安定。 |
Flipper Training(調節効率改善トレーニング) +1.50/-1.50 :5回/30sec (0.6視表) |
H24.8.27 |
遠方視力:右0.2 左0.3 | 矯正視力:右 0.9 左1.0 両眼 1.0~1.5 矯正視力で初めて1.5を確認。 |
C.T:Far φ Near:2~3Exo |
#7A:右 S+0.25 左 S+0.25 矯正視力1.0~1.2(At Far) |
#8:1Exo |
#13b:4Exo | Gradi Ac/A -2/+1.00 |
#20(-1.50) #21(+2.25) |
※確認のためFlipperを使用し、序々に調節域を広げる。 |
Flipper Training(調節効率改善トレーニング) +2.25/-2.75 :6回/30sec (0.6視表) |
※調節域が広がり、質も改善。 |
結論 |
遠視メガネの常用と調節を中心としたビジュアル・トレーニングの効果が顕著になり、 |
主訴もなくなる。 |
急激な成長過程期において緊張感の高い、過度の近業が視機能のバランスを崩したと考えられる。 |
2ヶ月後の定期検査をご案内し、今回のトレーニングを終了する。 |